[TFレビュー] 目覚ましく華麗だからこそ、より悲劇的な「エリザベート」

11月15日までソウル・ブルースクエア・ウリィ銀行ホールで公演ミュージカル「エリザベート」は、オーストリア皇后エリザベートの人生をモチーフにした作品で、歴史上の人物の人生にファンタジー的な存在である死(Der Tod)を加えた独創的な設定を通して、一人の人間が時代と身分の枠の中で自身の人生と自由を探していく過程を描き出す。/EMKミュージカルカンパニー[THE FACT|パク・ジユン記者] ミュージカル「エリザベート」は、華やかな皇室の裏に隠された一人の女性の孤独と自由への渇望、そして生と死の間で繰り広げられる悲劇的な叙事を濃密に描き出す。時代を超えて誰もが一度は向き合ったであろう様々な人生の問いを舞台上に提示し、長きにわたり世界中の観客に愛されている理由をまざまざと証明する。去る8月に開幕した「エリザベート」は、オーストリア皇后エリザベートの人生をモチーフにした作品で、歴史上の人物の人生にファンタジー的な存在である死(Der Tod)を加えた独創的な設定を通して、一人の人間が時代と身分の枠の中で自身の人生と自由を探していく過程を描き出す。公演は、エリザベートを暗殺した稀代の殺人者であり、観客を物語へと引き込む案内人ルキーニの視点から始まる。幼い頃、シシという愛称で呼ばれていた明るい少女エリザベートは、偶然出会ったオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフと恋に落ち結婚し、皇后の座に就く。しかし、そこでの生活は期待とは異なった。厳格な皇室の規律と姑ゾフィーの息詰まるような統制の中で、自分の意志通りに生きられなくなったのだ。フランツ・ヨーゼフも母親に逆らえない状況で、次第に孤立していくエリザベートに、恐怖と魅惑を同時に持つ存在である死が近づき、自由を渇望する彼女に絶えず手を差し伸べる。エリザベートを演じるリナは、繊細なボーカルと並外れた表現力で人物の変化を説得力豊かに描き出し、死を演じるコ・ウンソンは、プラチナブロンドで神秘的で幻想的な雰囲気を醸し出し、作品を安定的に牽引する。/EMKミュージカルカンパニーそんな中、エリザベートと同様に皇室の権威と統制の中で苦しんだ息子ルドルフ皇太子の死は、エリザベートに言葉では言い表せない喪失感と深い罪悪感を残す。その後、彼女は次第に皇室と距離を置き、自分だけの人生を探して放浪するが、ついに痛ましい結末を迎える。史実上では皇后を狙った暗殺者であるルキーニが、作品の中ではエリザベートが自ら死を愛し、望んだと主張することで、皇后の華やかな人生の裏に隠された孤独と内面の葛藤を改めて浮き彫りにし、真の自由とは何かを考えさせる。2021年の国内初演以来、5回のシーズンを経てきた「エリザベート」は、各種授賞式で賞を総なめにし、作品性と興行性を証明した。それから4年ぶりに観客を訪れた公演は、既存の構成を基に、さらに洗練された舞台芸術と新たな解釈を披露し、馴染みのある叙事の中でも、今シーズンならではの異なる面白さと感動を届けている。まず、最も際立って変化した点は、劇の象徴とも言える扇を形取った大型セットだ。これが舞台全体を包み込み、プロダクションの新たなイメージを完成させる。また、フランツ・ヨーゼフの執務室と結婚式場には、ゴシック様式の巨大な石柱など、壮大なセットが加えられ、皇室の威厳を 適切に 示している。そしてこれは、皮肉にもその中で次第に自由を失っていくエリザベートの状況を視覚的に際立たせる要素ともなっている。「エリザベート」は、来る11月15日までソウル・ブルースクエア・ウリィ銀行ホールで公演される。/EMKミュージカルカンパニーここに、エリザベートの華やかな髪飾りをモチーフにした大型額縁やドレスなど、人物を想起させるオブジェにも変化を加え、皇室の華やかな庭園と死が登場する瞬間を効果的に 具現し、舞台のスケールを一層拡張した。以前のシーズンを観覧した観客であれば、随所に加えられた変化点と新しい演出を発見する楽しみも大きいだろう。今回新たに合流したリナとコ・ウンソンは、舞台上で期待以上の活躍を見せ、観客をしっかりと魅了する。まず、リナはエキゾチックなビジュアルを誇り、オーストリア史上最も美しい皇后として記憶されるエリザベートそのものとして存在する。続いて彼女は、 真声(チェンソン) と 裏声(カソン) を自由自在に行き来する繊細なボーカルと豊かな感性で大きな舞台を満たし、皇后の華やかさの裏に潜む人間的な孤独を繊細に描き出す。特に、次第に生気を失っていくエリザベートの変化を眼差しに込め、人物の内面を説得力豊かに表現する。史実には存在しないが、ミュージカルでは象徴的な人物である死となったコ・ウンソンは、プラチナブロンドで人物のミステリアスさを倍増させ、神秘的で幻想的な雰囲気を醸し出す。まさに、自分だけの色彩で死という人物を新たに解釈し、新鮮なエネルギーを吹き込んでいる。このように、時代を超えた名作として、今回も俳優たちの熱演と壮大な舞台、そして考えるべきテーマで観客を魅了している「エリザベート」は、来る11月15日までソウル・ブルースクエア・ウリィ銀行ホールで公演される。jiyoon-1031@tf.co.kr[芸能部 | ssent@tf.co.kr]