[TFシネレビュー] 「ディガー」、これまで見たことのないトム・クルーズ

現実と虚構を巧みに織り交ぜ、世界に向けた壮大な風刺劇3日に公開される「ディガー」は、時代遅れの変わり者大富豪ディガー・ロックウェルがグリーンランドの氷河掘削施設で発生させた小さな亀裂が、世界を揺るがす史上最大の災害となるまでの物語を描いた作品だ。/ワーナー・ブラザース・コリア(株)jiyoon-1031@tf.co.krパク・チユン記者】確かに好き嫌いが分かれる「ディガー」だ。コードが好みに合えば、休む間もなく笑えるかもしれないが、そうでなければ、わけのわからない疲労感と不快感を抱えて劇場を出ることになるだろう。それでも、アクションだけが得意だと思っていたハリウッド俳優トム・クルーズの、これまで見たことのない新しい顔を楽しむことができる点は、確かに魅力的だ。先月3日にスクリーンにかけられた映画「ディガー」(監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ)は、時代遅れの変わり者大富豪ディガー・ロックウェル(トム・クルーズ)がグリーンランドの氷河掘削施設で発生させた小さな亀裂が、世界を揺るがす史上最大の災害の始まりとなるまでの物語を描く。映画は、3代にわたって石油財閥として生きてきたディガー・ロックウェルが一日を始める姿から始まる。彼は飼い猫のマギーを献身的に世話するが、至る所に剥製の動物が飾られた豪華な家で快適に暮らし、目の前の目先の大きな利益だけを追い求めながら、自然を平気で破壊する矛盾した人物だ。そんなディガー・ロックウェルが、ある日グリーンランドの氷河掘削施設で発見された小さな亀裂を軽視していたところ、その問題が世界を吹き飛ばすほどの巨大な災害にまで大きくなってしまった状況に直面する。ワシントンD.C.の5倍の大きさの氷河がヨーロッパ大陸に衝突するという観測が出たのだ。これまで「ミッション:インポッシブル」シリーズや「トップガン:マーヴェリック」などを通じて、アクション俳優としてのみ強烈な印象を残してきたトム・クルーズは、ディガー・ロックウェル役を演じ、全く新しい顔を見せている。/ワーナー・ブラザース・コリア(株)この事態を引き起こした張本人であるディガー・ロックウェルは、アメリカ大統領コンプソン(ジョン・グッドマン)をはじめとする多くの権力者を自宅に招集する。続いて彼は、自身の無知と安易さから始まった事態にもかかわらず、自ら人類を救うために乗り出し、英雄を自称するという皮肉な姿を見せる。そしてすぐに「ディガー」は、反転の扉を開ける。実は、このすべては演劇であり、彼らはリハーサルの最中だったのだ。その後、ますます大きくなる災害を何とか収拾しようとする舞台上のキャラクター、ディガー・ロックウェルと、それを演じる俳優の姿が、絶え間なく交差する額縁構成を取り、観客に二つの物語を楽しませる。簡単に言えば、「ディガー」は、物質至上主義とアメリカ第一主義を超え、今手に入れられる利益のために未来の環境を遠慮なく破壊し、それに伴う不都合な結果には目をつぶろうとする人間の強欲が招いた危機を、終始風刺するブラックコメディだ。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は、現実と虚構を巧みに織り交ぜながら、観客を曖昧な位置に立たせ、時代を超えた人間の本質に対する問いを投げかけようとするが、息つく暇もなく押し寄せる膨大なセリフは、むしろ作品が伝えようとするメッセージを観客が改めて噛みしめる余裕すら与えず、残念さを残す。/ワーナー・ブラザース・コリア(株)これを牽引するトム・クルーズは、毎瞬間圧倒的な熱演で、これまで一度も披露したことのない新しい顔を見せている。「ミッション:インポッシブル」シリーズなどを通じて、世界中の観客にアクション俳優として刻印されていた彼が、自身の既存のイメージを完全に覆した、まさに驚くべき変身だ。どのような決心でもしたかのように、突き出た腹と白髪などで、破格的な外見ビジュアルを完成させ、強欲な石油財閥そのものとして映画の中で生きて呼吸している。特に、300人のエキストラと共に臨んだ大規模なシーンで、カメラの動きを考慮しながら見せたダイナミックな演技は、深い残像を残す。アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は、現実と虚構を巧みに織り交ぜながら、観客を曖昧な位置に立たせ、時代を超えた人間の本質に対する問いを投げかける。ただし、こうした意図を伝える俳優たちは、終始過度に歪んだ表情で、叫ぶようにセリフを吐き出すため、時間が経つにつれて疲労感だけが積み重なっていく。額縁構成という反転が明らかになることで、こうした演出がある程度納得できるものの、だからといってその後魅力的に感じられるわけではない。息つく暇もなく押し寄せる膨大なセリフは、むしろ作品が伝えようとするメッセージを観客が改めて噛みしめる余裕すら与えず、残念さを残す。15歳以上観覧可能で、上映時間は128分だ。jiyoon-1031@tf.co.kr[芸能部 | ssent@tf.co.kr]