Pew、海洋保全を推進する7名の科学者へフェローシップを授与

トップクラスの研究者らが著名なフェローのグローバルコミュニティ参加

フィラデルフィア発, 2026年3月12日 /PRNewswire/ -- 世界の海洋は、違法漁業から沿岸生息地の消滅、そしてプラスチック汚染に至るまで、大きな脅威に直面しています。現在、選出された科学者たちは、実効性の高い海洋保全を妨げている知見の空白を埋めるため、取り組みを始めようとしています。

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Pew Charitable Trustsは本日、オーストラリア、米国、カナダ、日本、タイに拠点を置く7名のフェローに対し、海洋の健全性とそれに依存する地域社会の強化を目的とした海洋保全研究を行うため、3年間の研究期間に対し総額15万米ドルの助成金を授与することを発表しました。同科学者らの研究活動には、高度な遺伝子技術による違法・無報告漁業の追跡、東南アジアにおけるサンゴ礁再生の改善、気候変動に強いケルプの森の地図化、海洋保全に対する地域規模でのインセンティブの検証、東アジアにおける漁業ガバナンスの再考、有害藻類増殖の影響分析、ナノプラスチック汚染を分類するためのオープンソース技術の開発などが含まれています。

今年のフェローには、海洋プラスチック汚染の解決策に関する研究を支援する「Pew-Gerstner海洋プラスチック研究フェローシップ」の第1回受賞者、海洋科学と生物医学が交差する分野において革新的な研究を促進する「Pew-Hoover海洋・生物医学フェローシップ」の第2回受賞者も含まれています。

Pew海洋保全フェローシッププログラム担当プロジェクトディレクターである Leo Curran(レオ・カラン)は、次のように述べています。「今回選出されたフェローの方々は、その創造性と類まれなる尽力により、海洋が直面する極めて困難な課題に立ち向かっています。その研究活動では、科学、技術、地域社会が一体となって海を守ることで、どのような施策が可能なのかを示しています」

2026年度のフェローは、名誉あるコミュニティに参加することになります。このコミュニティは、海洋科学の発展と、海洋資源の持続可能な利用の促進に寄与する200名以上のPew海洋フェロー修了生で構成されています。Pew海洋保全フェローシッププログラムは、海洋科学分野と海洋保全分野のリーダーによる国際的パネルによって選出された、中堅科学者やその他の専門家を支援しています。修了生は、活動的なコミュニティを形成し、世界各地で協力体制と知識の共有を促進しています。

Pewの科学振興担当ディレクターである Angela Bednarek(アンジェラ・ベドナレク)は次のように述べています。「科学者たちが自らのアイデアを具体的な行動へと移していく姿を目にすることに、これ以上の喜びはありません。科学者たちは新しい手法を模索し、革新的なツールを試験運用し、地域社会や政策立案者と緊密に連携しながら、研究を実際の海洋保全の施策に転換しています」

2026年のフェローは以下のとおりです。

Suchana Apple Chavanich(スチャナ・アップル・チャバニッチ)

Chulalongkorn University, Thailand(チュラロンコーン大学・タイ・博士)

スチャナ・アップル・チャバニッチ博士の研究では、世界で最もサンゴの多様性が豊かな地域の1つである東南アジアにおいて、サンゴ礁の回復を促進する革新的な方法を開発・適用しています。タイで研究活動を行うチャバニッチ博士は、有性増殖による新たなサンゴの生産技術と、凍結サンゴ精子・卵子の保存技術を改良していく予定です。これらは、回復した個体群の遺伝的健全性を維持するうえで極めて重要な手法です。

Andrés Cisneros-Montemayor(アンドレス・シスネロス=モンテマヨール)

Simon Fraser University, Canada (サイモン・フレーザー大学・カナダ・博士)

アンドレス・シスネロス=モンテマイヨール博士の研究は、海洋経済で市場を形成する社会的つながりを特定するための再現可能な枠組みを開発し、地域規模での保全に対するインセンティブの設計と実施を促進を目指しています。メキシコのソノラ州にある3つの漁業コミュニティと協力し、シスネロス=モンテマヨール博士は、この枠組みを適用し、現地で聞き取りやコミュニティ参加型ワークショップを実施して、経済的意思決定に影響を与える多層的な相互作用をマッピングし、理解を深めます。

Win Cowger(ウィン・カウガー)

Pew-Gerstner Fellow in Ocean Plastics Research(Pew-Gerstner海洋プラスチック研究フェロー・博士)

ウィン・カウガー博士の研究では、全世界の研究者がさまざまな種類のプラスチック汚染を分類・分析できるよう博士自身が開発した、オープンソースのツール「Open Specy」の機能強化に取り組みます。また、海洋環境におけるナノプラスチック、微少プラスチック、プラスチック溶出物の同定の改善を目的として、信頼性の高い参照ライブラリを構築し、新たなアルゴリズムを開発していく予定です。

Nur Arafeh-Dalamau(ヌール・アラフェ=ダルマウ)

University of Queensland, Australia(クイーンズランド大学・オーストラリア・博士)

ヌール・アラフェ=ダルマウ博士の研究は、カリフォルニア州、メキシコ、ペルー、アルゼンチンのパートナーと協力して、回復力のあるケルプの森の生態系を特定し、地図化することを目指しています。また、衛星画像、生態学的調査、環境DNAを使用して、持続的なケルプの森における生物多様性のパターンを分析し、海の熱波に対する回復力を検証することも予定しています。

Matthew Gribble(マシュー・グリブル)

Pew-Hoover Fellow in Marine and Biomedical Science(Pew-Hoover海洋・生物医学フェロー)

University of California, San Francisco, USA(カリフォルニア大学サンフランシスコ校・米国・博士)

マシュー・グリブル博士の研究は、隠れマルコフモデルと呼ばれる高度な統計的手法を応用し、毒素を産生する藻類の増殖動態への理解を深めることです。この研究は、アラスカ先住民の居住する地域が有害藻類の発生によって繰り返し影響を受けているアラスカ南東部と、スペインのアンダルシアを対象としています。また、同地域で過去に藻類の大量増殖がどの程度の頻度で発生したかを調査し、有害藻類の毒素への暴露による健康の影響に関する知見の裏付けを得ることを目指しています。

Shaili Johri(シャイリ・ジョフリ)

Stanford University, USA(スタンフォード大学・米国・博士)

シャイリ・ジョフリ博士は、高度な遺伝子解析ツールを活用し、水産物のトレーサビリティを強化し、違法漁業対策に取り組みます。ジョフリ博士の研究は、個体ごとのDNAの微細な差異を分析することで、取引される種の地理的起源の特定に役立つと考えられています。ジョフリ博士は、サンゴ礁に生息するサメを対象に、西インド洋全域のサメ漁が集中する海域を特定するとともに、違法漁業の事例を検出することを目的として、低コストで迅速かつ正確な遺伝子および視覚的識別手法を開発する予定です。

Namhee Kwon(クォン・ナムヒ)

Kansai University, Japan(関西大学・日本・博士)

クォン・ナムヒ博士の研究は、共有魚類資源の管理における既存協定の有効性と限界を分析し、政治的に実行可能かつ生態学的に持続可能な制度的・法的改革を明らかにすることを目的としています。韓国、日本、中国間の協定を対象に、各協定の法的枠組み、国連海洋法条約上の義務、各国の国内制度におけるこれらの協定の実施状況について検証します。

問い合わせ先: Elham Khatami, 202-540-6711, ekhatami@pewtrusts.org

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SOURCE The Pew Charitable Trusts